交通事故の治療で健康保険や労災保険 (【社会保険】=社保 と略) を使うことは問題はありません。 (ただ
し、通勤途上など業務中の事故の場合は必ず労災保険を使うこと。 労災は休業損害も補償される。)
こちらの過失の割合は、スピードの出し過ぎの程度や相手の飲酒の有無などがはっきりしないので決めかね
ます。いずれ【刑事記録】で確認することになると思われますが、過失が出る可能性は十分あります。その場 合に社保を使わなければ、治療は一般的に自由診療となります。
自由診療の治療費は通常、健保を使った場合の2倍です。(下記注参照) 過失分はこちらの負担となります ので仮に手術などで治療費が300万円
かかかると、その10%30万円 とか 15% 45万円はこちらが負担
しなければならないわけです。健保なら、この300万円が半分の150万円ほどになり、その自己負担分(30
%45万円)の10%〜15%(4万円〜7万円)の負担で済みます。 これを逆に考え、社保を進んで使えば自
らの過失を認めたことになると思って、あえて拒否する被害者がいますが単なる思惑でしかありません。
なお、社保が一旦病院に支払っても、本来相手に賠償の責任がある分は【社保求償】と言って加害者側の保
険会社に請求し回収します。(このために【第三者行為傷病届】が必要です。保険会社に提出して下さい。)
病院は社保を使われると売り上げが半減しますので、社保による治療は歓迎しませんが、拒否は出来ません
のでせめて自賠責保険の枠内120万円までは自由診療を希望したりします。
一方、保険会社は出来るだけ支払いを抑えたい立場ですから、初診から安い社保の適用を望みます。今回の
ケースではお父さんから病院に対して初診に遡って健保の適用を申し出られることをお勧めします。 被害者にとって健保を使って不利になることは何もありません。
なお、通院のみの軽い事故の場合は自賠責保険で全額まかなえることが多いこともあって、任意保険会社が 被害者や病院に社保の使用を頼んでくることはほとんどありません。
同意書は今後 治療費ほかを賠償する立場の保険会社が、治療の内容などを医師に問い合わせる必要が生
じた時に病院に提出しなければならない書類です。判を押して渡して下さい。
(注)治療費は点数×単価で計算されます。国民健康保険などの健保は1点単価@10円 労災保険は1点
12円 これに対して社会保険を使わない自由診療は概ね@20円が多く これ以外に病院によっては新基準
(労災×1.2)の単価。交通事故関係のみ)を採用しているところが増えています。
★ 関連参考
【第三者行為傷病届】
【社保求償】Q9−1
【刑事記録】Q15−2